
「それはもう知ってる」
「それは大体こういうことでしょう」
「私はこんな感じにするのよ」
私たちは日常の中で、
こんなふうに無意識に「わかったつもり」になって、
物事や出来事、体験を片付けてしまいがち。
そしてその瞬間、
“今、目の前で起きている体験”がスキップされてしまう。
それって、すごくもったいないこと。
■ 頭の中の「知ってる」と、体で感じる「知る」は別物
たとえば、
今飲んでいるお茶の温かさや香り。
風が頬をなでる感触。
誰かが笑った時の、空気のやわらかさ。
それは、その瞬間しか味わえない体験。
でも私たちは、
「このお茶はこういう味」「風が冷たいね」って
経験や知識の中で“知ったことにして”、今を味わっていないことが多い。
■ 子どもは「体験で知る天才」
子どもが初めて何かに触れる時の目って、本当にキラキラしていませんか。
全身の感覚で受け取り、驚きながら、今そのものを味わっている様子、ありますよね。
でも大人になると、「もう知ってる」「だいたい予測できる」と、新鮮な感覚を閉じてしまう。
今体験していることよりも、もっと大切なことがある!と、頭の中は違うところにある。
■ 「体験してる」つもりだった
私もそうでした。
「今を大切にする」って言葉は知ってるし、
「五感を使って感じることが大事」も頭では理解していた。
でも、マインドフルネスを学び、実際には、未来のことや、過去の後悔に心を持っていかれ、今起きている体験は“通過点”みたいにしか感じていなかったということに気づかされた。
それを実感した時は、驚きだった。だって、体験していると思い込んでたから。
■ 本当の学びは、体験を通してしか得られない
「考える」「思い出す」
――これは、思考を通して“間接的に”体験を知る方法。
けれど本当の学びは、
今、この瞬間に起きていることを、五感と体で感じることでしか得られない。
感覚に意識を向けると、
心の中の勝手なおしゃべりが少し静まり、
自分の中の「知る力」がまっすぐに目覚めてくる。
■ 直接体験として「知る」こと
「考える」「思い出す」これは、思考を通して“間接的に”知る方法。
直接体験として”知る”それは、「知識を得る」でも「考えをまとめる」でもない。
ただ、
目の前にある“今の体験”を、まっさらな状態で受け取ること。
同じ体験は二度とない、生きていることを豊かにする知り方。
■ マインドフルネス瞑想は、その「直接的に知る力」のトレーニング
大人になるほど、いつのまにか「頭の中で生きること」に慣れすぎて、今の体験を生きる感覚を忘れてしまう。
マインドフルネス瞑想はただの静かな時間じゃない。
「今、何を体験を通して知っているのか」という力を、取り戻していく練習。
「思考の中で知る」と「体験を通して知る」
どちらの“知る”も自由に使いこなせる自分になっていく。
それは、
人生をより豊かに、よりしなやかに生きる力になります。
■ 次回は…
感情に巻き込まれないための、マインドフルネスについて。