姿勢と内臓の働き

 

「姿勢の良さ」は見た目に大きく関係しているのはご存じの通りです。

 

しかし見た目の美しさや若々しさだけでなく、加齢と共に気づかないうちに落ちていく筋肉の維持や、内臓の働きにも影響し、心身の状態を健康に保つことに大きく関係しています。

 

 

先日、社交ダンススタジオで、体も脳も心もハッピーに!と健康講座を行いました。

 

そこでお伝えした姿勢と内臓の関係のお話をシェアします。

 

猫背でもなく、反り腰でもなく、まっすぐ立つ。できますか?

 

正しい姿勢を確かめたい場合は、壁を背中にして立ち、踵、ふくらはぎ、お尻、肩甲骨、後頭部を壁につけ、背中の腰の上には背中と壁の間を手を1枚差しこめるだけのスペースを保ち、手の先は太ももの側面につけるようにしてみます。

 

10年以上前40代の頃に姿勢を学びに行った時には、これが全くできず姿勢をキープすることが非常に苦しかったことを覚えています。

 

この姿勢を今は保持することができない方も、もう無理などとあきらめないでください。

いくらでも変われます。

私も今ならできます。

 

 

内臓は、横隔膜を挟んで、上に肺と心臓があり、下には胃、小腸、大腸、肝臓、膵臓、腎臓など多くがあります。

 

体が真っ直ぐの状態で、それぞれの臓器は本来ある場所にいられます。

 

姿勢を保てず猫背でお腹が潰れているような姿勢や反り腰では、内臓が圧迫を受け潰され、のびのびと動けません。

 

消化をするには胃も腸も物理的に動いて消化吸収が行われますし、便を作り出す大腸も動かしにくい状態で便を肛門近くまで送り出すのは大変です。

 

毎日出ているからいいって?

それは、自分の体にやさしくないですよね。

 

自分の体が潰された状態で、自分の力を発揮できますか?

苦しくてとりあえず、しのぐのでやっとではありませんか。

 

潰れたり歪んだ状態が長く続くとどうでしょうか?

動きを伴う消化器官は大きく影響しますし、内臓の下に位置する卵巣、子宮、膀胱などはスペースがなくなります。

 

血液もリンパの流れも悪くなり、栄養も回らず不用物の回収も悪くなります。内臓の癒着などにも繋がってきます。

 

加齢と共に内臓機能も落ちてきますが、姿勢もその大きな要因です。

 

栄養は食べるだけでは、体に回りません。それぞれの内臓、細胞に届き、その臓器が動けるスペースがあってこそ力を発揮してくれるのです。

 

 

姿勢を作ってみましょう。

 

背を高くするように、頭の先を上から引っ張られた感じにします。

 

この時に注意したいのは、胸と肩と骨盤。

 

胸は張らない

多くの人は、姿勢を良くというと、胸を張りますが、胸は張りません。

 

肩は下げる

無意識に頑張って肩が上がりがちです。肩は下げます。

 

骨盤はまっすぐ

膣が地面を向き、お尻の穴に力が入れられる位置です。

 

 

 

その姿勢で、横隔膜を広げるようにして気持ちよく呼吸をしましょう。

 

体は良くできています、微笑むとより楽に呼吸が入ってきますよ。

 

内臓にスペースがある立ち方でこの呼吸をすると、横隔膜が上に下にと良く動きます。

 

この呼吸自体が内臓への優しいマッサージ効果があり、呼吸で得られた酸素はスペースが保たれた血管の中へ入り、毛細血管の先まで届き、小さな細胞のそれぞれに届きやすくなるのです。

 

 

 

内臓は喜びますよ!

ぜひ内臓に、栄養を送るよ!届いてる?いつもありがとうね!って声をかけてくださいね。

 

台所で何かをしていても、座ってる時も気づいた時には、少しの間でも意識してもらえると違います。

 

 

特におすすめなのは、外に出て歩く時です!

 

散歩や、買い物、犬の散歩に、通勤に、この姿勢と呼吸を体への感謝の気持ちと共に歩くことが日課になるって素敵ではありませんか。

 

歩くと股関節を前後に規則的なテンポで動かし続けることになりますが、これは内臓に、特に骨盤内に血液をよく送る働きがあります。

 

外に出る時、寒いな〜、暑いな〜、と外への意識だけでなく、自分の内側に意識を向けて歩いてみましょう。

自分の体の状態に意識を持ち続け観察するのはマインドフルネスです。

 

最初は難しくても、続けていくことで自分の体の状態への観察スキルが上がります。

この自己観察力を身につけると、精神的な自分軸もしっかりしてくるのでおすすめです。

 

 

次回は、この歩き方と筋肉の関係についてお伝えします。