腸は健康に大切だという考えが広く一般的になってきました。
胃から小腸、大腸と繋がっています。
今回は小腸について。
腸は本当に大切です。
小腸は命を続けるために食べ物を分解吸収し、害になる病原菌は入れないように守り、体に入ってしまった毒を排出します。そして免疫細胞が集まっている場所です。
大腸は腸内細菌叢が住み、彼らが野菜などに含まれる水溶性食物繊維を使い、私たちに必要な栄養(主にビタミンB群)を作り出します。
腸の情報は常に自律神経を通して脳に送られ、思考、感情など脳の働きに影響を与えます。
腸の状態が良ければ、栄養もよく吸収され、各臓器に栄養が行き機能します。
状態の良し悪しが、免疫と脳の働きに直接関係します。
小腸の働きを見ていきましょう。
腸壁の細胞はとても薄く1層でできています。
その上には粘液層があり、粘液の中には免疫のIgA抗体があり私たちから病原菌から守る役目をしています。
病原菌に反応し、ぐるっと取り囲みそのまま便と共に外に排出させます。
栄養は吸収し、病原菌や体に害になるものは吸収しない作りになっています。
本当によくできていますよね。
しかし、腸壁は薄くとても弱く、腸を荒らすような食べ物が入ってくるとダメージを受けます。
修復する時間もなく、どんどん腸を荒らすような食べ物が入ってきたら、腸の消化や防御システムも上手く機能しなくなってきます。
腸壁の細胞のサイクルはとても早く1〜3日で生まれ変わります。
ちなみに肌は28日周期ですから、腸の粘膜がどれだけ早く生まれ変わるの分かりますね。
常に新しく生まれ変わった状態でないと、機能を保てないということですね。
当然ですが、腸壁の細胞も粘液も、食べたものからできています。
みなさん、腸壁や粘液、IgA抗体の材料となる、タンパク質は取れていますか?
腸は特にグルタミンというアミノ酸(タンパク質)を求めています。
腸が動くためのエネルギーとしても使うからです。
このグルタミン不足は、腸の動きが悪くなったり、粘液に含まれるIgA抗体が痩せたり、荒れた腸を修復できないことにつながります。
グルタミンは、お肉やお魚という一般的なタンパク質に含まれていますが、出汁や肉入りスープにも含まれています。
前にも紹介しているボーンブロスは液体にグルタミンが溶け出しているので吸収が良く、おすすめです。(レシピはこちら)
ボーンブロスを飲んだ時に、お腹がリラックスして栄養が染み渡るような感覚になりませんか?
腸が「きたー!私たちの栄養!」と反応しているからに違いありません(私はそう感じちゃってます)
味噌汁の出汁を、煮干し粉を直接入れて作っても、見た目はちょっと悪くなりますが、良いですよ。
鉄分などのミネラルもとることができます。
新しい細胞を作り出すためには、タンパク質だけでなく、作り出すエネルギー栄養のお米などの良質な炭水化物も、ビタミンやミネラルも揃っている必要があります。
大切なのは栄養のある食事をとるということですね。
適当にお腹を満たすのではなく、野菜もお肉やお魚もできるだけ旬のものを食べたいものです。
食事をないがしろにし、腸を荒らす食べ物を食べ続けていれば、粘液も薄くIgA抗体も少なくなり、薄い粘膜は傷つき、体に害になるものも腸壁から入ってきてしまう、、、。
侵入してきた異物は、免疫細胞が反応して攻撃するが、過剰反応でアレルギー症状を引き起こす、、、、。
多くの人の腸がそのような状態になっています。
私も、適当な食事で育ち、大人になっても美味しいものやお腹を満たすことが優先で生きてきました。
高校生の頃から、週1回の便、腸の動きが頻繁に止まりお腹が張ってつらい、アレルギー、敏感肌で体のどこかが常に痒かったり赤みがありました。自分はそういう体質なんだと勝手に決めて諦めていました。
学んで知識を得たことで、問題意識が生まれ、実践改善することができ、腸内環境を変えることができました。
今では、日に2回の快便となり、心も体も軽くなり感情的に抱えるものも無くなりました。
(腸の状態は思考、感情とも大きく関係していますから)
とりあえず「乳酸菌とってます!」という人も多いですね。気持ちはとてもわかります。
乳酸菌飲料や食物繊維加工食品がスーパーでも薬局でもコンビニでも、目立つように置かれていますし、不安に感じている人ほど手に取ると思います。
しかし、本当は乳酸菌より先に、腸にダメージを与えるものを取らず、腸が良くなる基本的な栄養をとる方が重要だと思いませんか。
しかし、これが難しい!
ハードルが高いんです!(だから多くの現代人の腸が荒れるんですけど)
以下の4つの食品は腸内環境には厳しいものです。
砂糖(大腸にすむ腸内細菌の悪玉菌が大好きな環境を作り出し悪玉菌が増殖します=甘い食べ物、甘いドリンク類、お菓子、ケーキと私たちをがっちりと取り囲んでいる食べ物です 糖類全般的に)
小麦(含まれるグルテンというタンパク質が反応しゾムリンというタンパク質が腸壁に隙間を作り出し、その隙間から体の害になるものが勝手に入っちゃうんです)
乳製品(牛のお乳からできているカゼインというタンパク質が腸を荒らします)
カフェイン(消化能力を落とし、エネルギーの前借りをさせ、元気になったような気にさせます=1日何杯も飲む人はカフェインで元気を無理やり作っている状態ですよ〜気をつけてください)
これらを食べちゃダメ〜!!と言っているわけではありません。
禁止は、人生を苦しくしますから。
しかし、上記のものをたくさん食べていいる人ほど、腸にとっては厳しいのは間違いありません。
まずは、今まで無意識に食べたり買ったりしていたものを、食べる前、買う前にちょっと考えてみて!ください。
いつも家にストックしているからと、スッとお菓子を買い物カゴに入れる前に、考えてみてください。
小腹が空いているのなら、小さなおにぎりにする。
お腹が空いているのなら、食事にする。
女性だと食事をすると太ると思っている人も多くいらっしゃいますが、栄養が体に足りている状態と不足では脂肪のつき方が違います。
タンパク質が足りないと、脂肪がつきやすくなります。
脂肪がつくのは、血糖値が急に上がりインスリンがドンと出る時なんです。
砂糖の入ったものを食べた時、ご飯をドカ食いした時です。
自然に育ったものを食べる。
動物として本当にシンプルなことなのですが、難しいですね〜。
自然から遠のいているものばかりがお店に並んでいますから。
選ぶ力をつけていきましょう!
#腸内環境#栄養#健康#分子栄養学#タボラータ