生理があれば妊娠なんて、当たり前にできるものだと思っていました。
ところが、あれ!?できないぞ、と病院で検査を受けると、できない理由が次々と出てきました。夫婦揃って。
最初は近くの病院から、大きな病院に移り、検査や内視鏡手術、そして少しでも妊娠率の高い病院へ飛行機で通いました。
痛いホルモン注射、より元気な卵子のために麻酔なしでの採卵と、痛みに耐えながら、病院に通うことが自分にできる不妊治療だと信じていました。
治療を続けるたびに低下する卵子の質。それでも双子を授かり、喜びの束の間、11週で心拍が止まってしまいました。
半年間は治療から離れ、体を休めなければなりませんでした。残念な結果でしたが、それが自分の考えを変える大きなきっかけになりました。
考えれば、治療を続けても、薬を強くしても、卵の質は悪くなる一方で、体調も痛みや腫れが増えていくばかりでした。
「先生、お願いします!」と病院や先生に頼りきりで、妊娠は自分ごとでありながらも、任せっぱなしだったと気づきました。次の治療までの半年間、自分で何かできることがあるだろうと考えるようになりました。
図書館で見つけた妊娠と栄養の関係の本に出会い、「自分でできることがある!」と、食を大きく変え、運動を始めました。
食事と運動は、私のメンタルを強く安定させました。治療から解放されたこともあったのでしょうが、妊娠への執着が解け、とても充実した楽しい時間を過ごせました。
それまでは、友人の妊娠を心から喜べない自分が嫌になったり、子どもに対する過敏な反応など心が不安定でした。
驚くことに、半年後には、「妊娠しなくても大丈夫!」という吹っ切れた心持ちで、治療に行けました。そして、そこで出会ったのは、今までにない質の良い卵子たちです。
先生が「何をしたの?今までと全く違うじゃない!」と嬉しそうに言ってくれたことを今でも鮮明に覚えています。
その子たちが無事に育ち、出産。三つ子です。大変ながらも、にぎやかな家族になりました。
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私は自分が元気だから健康体だと思っていました。
しかし、専門的な視点からみれば、実際は若い頃から食生活が乱れ、栄養不足、超がつくほどの便秘で腸内環境は悪く、生理は不順で、女性ホルモンのバランスも悪く、アレルギーも持っていました。
自律神経のバランスや細胞の新陳代謝も決して良いとは言えず、卵管は細く、PICOS(多嚢胞性卵巣症候群)も抱えていました。
要は、体の細胞は自分自身を保つので精一杯の状態で、妊娠できる余裕がない!という状態だったのです。
分子栄養学や不妊へのアプローチを学び、妊娠を妨げる因子や改善方法などを知り、当時自分が取り組んだ食事や運動が、細胞の働きを良くし、治療の効果を高めたことに納得がいきました。
もし、治療だけに頼り、食事や生活習慣を改善しなかったら、子どもを授かることはできなかったのではないかと思います。
自分が元気でいるから、生理があるからと言って、妊娠できる体の状態とは限らないのです。
土台となる体、細胞の働きを整えておくことがどれほど大切なことか。
治療を長くしていた人も、体と向き合い整え、自然妊娠しています。
妊娠は病気ではないのですから、病院での治療の前に、体を整えることが先に来るのは、本来当たり前のことです。
もちろん、体を整えたからと言って、必ず赤ちゃんを授かるとは限りません。
しかし、自分の体を整え健やかにすることは、自分自身の人生を大切にすることです。
その先に、妊娠、出産、赤ちゃんの健康や子育がつながっていく方が健康的です。
赤ちゃんを育てる前に、自分育てをしましょう。
その経験と知識は、赤ちゃんの健康を守るものになります。
自分を大切にすることは、未来のあなたとあなたの大切な人々への贈り物につながっています。